トップページへ
[  トピックス | 愚者のたわごと | ひと | トップへ ]
 
 
  愚者のたわごと 第22回
 
平成13年7月発行
 
 先日、纒向勝山古墳の周濠から出土した木片が新聞のトップを飾って大きく報道されました。年輪による年代測定の結果、それが西暦200年前後に伐採された立木から作られた板であると判明したからです。

 その時代は邪馬台国の女王・卑弥呼が活躍した時代に符合します。当時の「ヤマト」は『魏志倭人伝』によると「其ノ国モトマタ男子ヲ以ッテ王トナス。トドマルコト七、八十年ニシテ倭国乱レ、相攻伐シテ年ヲ歴タリ。スナワチ共ニ一女ヲ立テテ王トナシ、名ヅケテ卑弥呼トイウ」と記されている倭国大乱の時代、日本の国づくりの時代、国家 草創・揺籃の時代でした。

 たった一片の板ぎれが、勝山古墳の築造時期を証し、日本の国づくりの産声が桜井から挙がったことをハッキリと示したのです。これは桜井の歴史を語る上からも、日本の古代国家の成立を論ずる上からも特筆すべきことです。また桜井のまちづくりをすすめる上にも大きな意味を持つものです。

 桜井市は総合計画に「生活文化都市」という、いたって個性のない都市像を掲げています。しかし、桜井市は、国家創生の「歴史文化都市」であって、「生活文化都市」などという訳のわからぬ都市ではないということを、勝山古墳の板ぎれはハッキリ証明してくれたのであります。

 自分たちの市がどんな市であるかを、内外にハッキリ明示できないで、桜井市の発展があるでしょうか。

 6月13日の夕方、NHKが「奈良ウイーク」という番組で桜井を紹介していました。画面には木材集積場が映され、そこで木材の町・桜井が語られ、木材産業とどんな関わりがあるのかよく分りませんが、板に字を書く豊国さんという方や、農業大学校で無農薬無公害農業に励む人たち、樽を作る職人の技術が紹介され、三輪山の笹百合、そうめんの干し場がちらりと映されていました。

 大切な桜井の歴史文化については、古墳の多い町と説明したのみで、埋蔵文化財センターの映像は、企画展「発掘のお仕事」の展示品を映し出し、発掘の苦労を語るつもりか、現場で使われ日焼けした麦わら帽(これがどれだけ重要なのでしょうか)の新品との違いを大写しで説明してくれました。

 テレビで紹介されることに価値がないとは言いませんが、ここで取材された桜井は、どこの市町村とも変わらない桜井で、これを見て多府県の視聴者は桜井をどのようにイメージされただろうか、「そうか、そんところなら、一度訪ねてみよう」と思った人がいるだろうか、こう考えてしばらくテレビの前で考え込みました。そして「NHKともあろうTVが、桜井を紹介するのに他市に比類のない歴史を取材しないで、何というピンボケ取材をしたものだ」と憤りました。

 しかし、わたしの結論は、この映像は、NHKが桜井市が掲げている都市像、すなわち「生活文化都市・桜井」を忠実に取材し、紹介したものであって、わたしの憤りが正当であるなら、それはNHKにではなく、ピンボケの都市像を30年にわたって掲げ続けている桜井市の歴史文化に対するピンボケぶりに向けられなければならないということでした。

 今からでも遅くはありません。「国家創生の歴史文化都市」にふさわしい桜井の町づくりが一日も早くすすめられることを願うものです。
 
  芝 房治
(日本文化の源流
 桜井を展く会幹事長)
 バックナンバー
[ 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24

[  トピックス | 愚者のたわごと | ひと ]
[ トップページ | 桜井情報 | 桜井観光 | エルト桜井のご案内 | さくらいジャーナル | 掲示板 | リンク集 ]

Copyright 2001 Sakuraitoshikaihatsu Co.,Ltd. All Right Reserved