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  愚者のたわごと 第19回

 
平成13年4月発行
 
一片の謝罪で事足りる問題と、そうでないこととがある。
 「警察官にあるまじき重大な不祥事件を引き起こしたことは、警察への県民の信頼を著しく裏切るもので遺憾の極み。県民の皆さんに深くお詫び申し上げる。」と、深々と頭を下げたのは、3月15日の県議会総務警察委員会における綿貫県警本部長です。

 1991年3月から今日まで、現職の県警交通課長が県内の大手運送会社から、計2千3百万円余を受け取っていたこと、さらに暴力団対策課の意見聴取官も、携帯電話の通話料約30万円を受け取っていたなど、汚職に対する謝罪でした。

 このほかにも同社の取引先の交通違反もみ消し、高級自動車を提供してもらった警察署長もあるとの疑いも出てきています。果たしてこの謝罪でことはすべて終わったのでしょうか。

 先の二人は警視という幹部警察官です。警視は、県警に警察官が2千百人程いる中でわずか90人のエリート階級です。全警官の模範となるべき幹部警察官がこんな汚職を犯すという事態は、本人の問題のみならず、警察そのものが腐敗していると責められても仕方ありません。

 この際、事件発生の温床となった県警内部の徹底的究明と再発防止策が何よりも必要でしょう。県警は再発防止を誓っているようですが、果たして峻厳襟を正すことができるのでしょうか、甚だ疑問です。

 疑問の一つには、このような不祥事件が起きる度に(1昨年10月に暴力団対策課の元警部が、有印文書偽造、昨年2月と4月に警部補が強制わいせつ致傷容疑と窃盗容疑で逮捕)「綱紀粛正を図り信頼回復を図る」と、今回同様に決り文句を言ってきたことです。結果は事件の構造的、本質的な問題を抉り出すことなく、個人的な責任にすりかえてきた嫌いがあります。

 二つには、仲間をかばう身内意識を破ることが出来るのかという疑問です。通例この種の事件では、口裏合わせを防ぐため贈収賄双方の容疑者を逮捕して取り調べるのが普通なのに、今度の事件では誰も逮捕されていない。

 警察は、行政組織の中で最も特権的な存在です。その内部は捜査上の秘密というベールに覆われ、他から干渉されたり、覗かれたりすることのない組織です。しかも、上下の階級身分は厳しく、一般社会にない強い規律性があります。幹部はこの上にあぐらをかき、特権に思い上がり、封建的身内意識を強く持っているのではないでしょうか。

 三つ目は、天下りによる癒着構造を打ち破れるかです。今回贈賄のあった運送会社へは県警OBが12人も天下っています。それらの半数は幹部となっており、副社長の人もいます。年収は県警時代の1・5倍の人もいるという有様です。運送会社は交通違反など、運送上の交通トラブルの発生が避けられない業種です。そこに会社と警察の癒着が起こる要因があります。典型的な両者のもたれ合い汚職といえましょう。

 謝罪した県警は、こうした三つの疑問に対して、はっきりとした究明と、納得のゆく回答を出さない限り再発防止など出来ないし、県民の信頼を回復することも困難でしょう。
 
  芝 房治
(日本文化の源流
 桜井を展く会幹事長)
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