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  愚者のたわごと 第15回

平成12年12月発行
 
 「石川や浜の真砂は尽きぬとも世に盗人の種は尽きまじ」。これは大盗賊・石川五右衛門の辞世の作と伝えられている有名な歌である。いつの世になっても次から次へと、盗人の絶えないことを皮肉ったのであろうが、現代の世は五右衛門も信じられないような事件が次々と起こっている。五右衛門流に言うなら  「世の中や浜の真砂は尽きぬともまさかまさかの種は尽きまじ」  とでも言った有り様である。

 その一つに、空前絶後の大歴史ねつ造事件が挙げられよう。 宮城県の上高森遺跡の60万年前の地層から当時の原人が使用したという石器が掘り出された。60万年前の原人生息を証明するわが国考古学史上最大の発見であった。ところがこの大発見が「東北旧石器文化研究所」の副理事長のねつ造だったと分った。

 研究所の権威は一朝にして地に落ち、彼が手がけた発掘現場とその成果ははすべて再点検。立ち会った考古学者は何をしていたのか。学会は「てんやわんや」である。世界的に評価の高かった日本考古学会も面目まるつぶれ、まさに、まさかまさかの事件である。 さて、この種の犯人には刑法上どんな罰則が課せられるのであろう?。

 発掘現場から遺物を盗んだとなれば当然窃盗罪になる。しかしこの場合、自分の石器コレクションを埋めたのであるからこれには当たらない。歴史ねつ造の罪など刑法にはない。異物混入罪などという罪があるのだろうか、詐欺罪なのであろうか、法律学者も、まさかこんな歴史ねつ造事件など夢にも思わなかったことであろう。

 ところで歴史ねつ造の罪がいま糾弾されようとしているが、もう一つ、歴史隠滅罪というのも糾弾されてよいと私は思う。箸墓をはじめ御陵、陵墓参考地の調査を阻んでいる宮内庁である。箸墓は、天皇陵参考地とされ、その調査は宮内庁によって禁じられているが、学問的調査をしてみなければ、ヤマトトトヒモモソヒメの墓か、はたまたヒミコの墓か、誰かの古墳か真偽のほどは分らない。

 しかし、はっきりしていることは、このまま調査をしないで放置すれば、古墳の内部は自然の腐蝕作用により、早晩、消滅し、一切が土に帰してしまうことは明らかである。すなわち初期古墳時代とわが国建国史を語ってくれる貴重な資料を滅失させることになるのである。箸墓の学問的調査と科学的保存は、建国史を解明するための国家的、国民的、必須の課題として早急に取り組まねばならないことである。

 だから箸墓の調査研究を怠り、自然の腐蝕にさらしておくことはわが国建国の歴史を隠滅する行為であるといっても過言ではないのである。先の事件が歴史ねつ造罪なら、箸墓の放置は歴史隠滅罪と言うべき所以である。宮内庁は歴史隠滅罪を犯していると言わざるを得ないのである。 ついでにもう一つ罪状を追加すれば、この現状に手をこまねいて黙って見ている考古学会と文化行政は不作為(なにもしない)の罪に該当するのではなかろうか。ダンテの「地獄篇」には不作為の罪が最も重いと記されている。

 
  芝 房治
(日本文化の源流
 桜井を展く会幹事長)
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